基礎から学ぶスクラッチ入門!<第1回>基本パターンを学ぼう

1.プログラミングは難しくない

プログラミングと聞くと「難しい」「全くわからない」「未知の世界」と感じられる方も多いのですが、実はプログラミング言語の種類にかかわらず、基本的に処理の流れは3種類しか存在していません。

その3つを着実に理解する事がプログラミング習得の近道となります。

3つの処理とは「順次処理」「分岐処理」「反復処理」です

いきなり難しい言葉が出てきましたね。

しかし、それぞれはとても簡単な内容ですので、一つずつ抑えていきましょう。

 

2.3つの基本パターンを理解しよう

パターン1[順次処理]

プログラミングでは、命令と呼ばれる単位で、順番に一つずつ命令が実行されていきます。これを順次処理を呼びます。

例えば下記のように動くプログラムを作るとします。

ネコをこのように動かす場合、①~⑦を順番に1つずつ行っていく必要がありますよね。

プログラムは上から順番に、一つずつ命令ブロックが処理されていきます。

したがって、この動きを作る場合は、①~⑦に該当する命令ブロックを順番に積み上げて、右のプログラムのようになります。

これを順次処理と言います。

要は単純に、一つずつ命令が処理される状態ですね。

とても簡単な事なのですが、意外に理解できていない人が多い部分でもあります。

「上から順番に一つずつ実行される」という事を覚えておいてください。


パターン2[分岐処理]

順次処理では、プログラムの流れが1つだけでした。

それに対して、分岐処理ではその名のとおり、プログラムの流れが2分かれる事になります。

 

下記のように動くプログラムの場合、ネコがランダムに移動した場所によって処理内容が変わる事になります。

ネコをランダムな場所に動かすために、②の【どこかの場所へ行く】という命令ブロックが用意されているので、これを使います。

ランダムに移動した後、そのネコのx座標(横の位置)によって、動かす命令ブロックが③-(a)と③-(b)のどちらかになります。

条件は[x座標>0]となり、この条件が正しい場合、つまり画面の右側に位置する場合は③-(a)が動きます。

このように、条件によって処理の分かれる事を分岐処理と呼びます。


パターン3[反復処理]

ここまで、順次処理と分岐処理を説明しましたが、残り一つのパターンが反復処理となります。

これも文字通り処理を繰り返す仕組みとなります。

なお、スクラッチの場合、繰り返す命令は3種類あり、そのうち2つを紹介します。

下記のように動かすプログラムを作ります。

まずプログラムがスタートしたら、ネコを右に動かします。右に動かす際、10歩ずつ動かすのを10回おこなう事になります。

同じ処理を繰り返しているので、②のように反復する命令ブロックを使っています。

この反復する命令ブロックは回数を決めて繰り返す事ができます。

そして、③では端に触れるまで、回転+進むことを繰り返しています。

これも反復する命令ブロックを使っていますが、②とは違い、条件を設定して繰り返す反復処理となります。

ここでの条件は[端に触れた]であり、この条件が成り立つまで繰り返す事になります。

このように、囲まれた命令ブロックを繰り返す処理を反復処理と呼びます。


.これで基本パターンは完璧です

ここまで3種類のパターンを紹介しましたが、内容は理解できましたでしょうか?

もし難しいと感じたのであれば、プログラムを色々改造してみて、動作を確認する事でさらに理解が深まるかと思います。

なお、

「これが分かったからと言って、ゲームとか作れるのか??」と思うかもしれません。

確かにこれが理解できたから直ぐにゲームとかアプリケーションが作れるわけではありませんが、この3つの基本原則を理解しておくことで、今後の理解度がかなり変わってきます。

実際に弊社のプログラミング教室でも「順次処理」の原則【上から順番に一つずつ実行される】を確実に理解できている子ほど、上達しているのも事実です。

.次回の内容は

おつかれさまでした!

今回はプログラミングにおける基本パターンを理解していただきました。

次はスクラッチでみなさん良く間違えやすい、「コスチューム」「スクリプト」「スプライト」の関係についてレッスンします。

次回を楽しみにしておいてください。

5.今回のプログラミング上達のアドバイス

弊社では小中学生だけでなく、高校生や社会人の方向けのプログラミングレッスンも実施していますが、プログラミングを上達するための必須条件が一つあります。

それは

「自分の手でプログラムを作る事」

です。

つまり、自分でパソコンに向かってプログラムを組んで動かし、確認するという一連の流れを体験する事が大切なのです。

当たり前の話なのですが、中には技術書をパラパラと読んで「大体理解した」という方もおられます。

プログラミングを経験して根本を理解されている方ならば問題ないのですが、全くの初めての方で一度もプログラムを作らずに、このような事を仰る方もおられます。(当然、突っ込むと全く理解していない)

なので、特に初心者の方は、無駄と思わずに実際にプログラムを作って動かすというのを繰り返すようにしてください。

 

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